reportレポート
平成30年10月18日(木)~19日(金)、全国青年会は、「ゼミナール研修」を開催しました。 同研修は、少人数でフィールドワークやディスカッションなどを交えながら、じっくりと社会福祉の経営について学べるような研修として企画しました(全国青年会会員限定)。 今回は、「社会福祉の源流とともに、いま求められる実践を学ぶ」と題し、長年福祉事業の実践に取り組んでいる先達に社会福祉の「源流」を学ぶとともに、地域における生活・福祉課題の現状と、ニーズへの対応に向けて果敢に挑む取組から「いま求められる実践」について理解することを目的に開催しました。 第1日目は、大阪市西成区の社会福祉法人大阪自彊館を訪問し、川端均理事長、木田博之事務局長より、法人の歴史や現在の事業内容についてご講義いただきました。大阪自彊館は、100年以上にわたり、「自彊不息(じきょうやまず)」の精神を持って、あいりん地区の生活保護・生活困窮者の支援を中心としてさまざまな事業を展開しています。 長い歴史や伝統にとらわれることなく、常に地域の福祉課題を把握し、時代のニーズに応じて変化することを恐れない姿勢で積極的に先駆的な取組を実践していることがとても印象的でした。その後、フィールドワークに出かけ、救護施設三徳寮、三角公園、あいりん職安、西成労働福祉センターなど、あいりん地区の実態を肌身で感じることができました。 第2日目は、「制度のはざまにある課題解決と自分らしく暮らせるまちづくり」をテーマに、NPO法人み・らいず2の野田満由美氏、岩本恭典氏、吉澤省之氏と、堺市社会福祉協議会 堺市生活・仕事応援センターすてっぷ・堺 センター長の守屋紀雄氏から、それぞれ活動内容について説明いただいた後、参加者を含めてディスカッションを行いました。 み・らいず2は、子ども・若者支援や障害児・者の支援を「描く」「育む」「学ぶ」「遊ぶ」「働く」「暮らす」の6つの側面から事業を展開しており、だれもが自分らしく地域で暮らせる社会をめざし創意工夫を凝らした実践が印象的でした。また、堺市社会福祉協議会のすてっぷ・堺の取組では、地域のなかでの困りごとを企業や法人も含めて互いにWin-Winの関係で解決していく実践的な活動についてお話しいただきました。その後、参加者を交えたディスカッションでは、地域のなかで社会福祉法人の強みをどう活かしていくか、また、地域の福祉ニーズをどのように掘り起こし、課題解決に向けて連携していくのかについて、熱い議論が交わされました。 2日間の研修を通じ、参加者からは「少人数だからこその現場の姿や生の声に触れることができてよかった」、「これからの社会福祉法人のあり方を学ぶ良い機会になった」といった声が聞かれました。
(報告・全国青年会 研修企画委員会 委員 辻村 泰聡(宝山寺福祉事業団))